映画_CODA あいのうた(2022)_シアン・へダー監督
https://www.youtube.com/watch?v=JF7GR2UMmtk
耳の不自由な家族の中で唯一耳が聞こえる少女が歌の才能を認められたことをきっかけに、夢と現実のはざまで葛藤するドラマ。『エール!』のリメイクで、『タルーラ ~彼女たちの事情~』などのシアン・ヘダーが監督・脚本を務めた。主人公を『ゴーストランドの惨劇』などのエミリア・ジョーンズが演じ、『シング・ストリート 未来へのうた』などのフェルディア・ウォルシュ=ピーロ、『愛は静けさの中に』などのマーリー・マトリンらが共演。サンダンス映画祭で観客賞など4冠に輝いた。とある海辺の町。耳の不自由な家族の中で唯一耳が聞こえる女子高生のルビー(エミリア・ジョーンズ)は、幼少期からさまざまな場面で家族のコミュニケーションを手助けし、家業の漁業も毎日手伝っていた。新学期、彼女はひそかに憧れる同級生のマイルズと同じ合唱クラブに入り、顧問の教師から歌の才能を見いだされる。名門音楽大学の受験を勧められるルビーだったが、彼女の歌声が聞こえない両親から反対されてしまう。ルビーは夢を追うよりも家族を支えることを決めるが、あるとき父が思いがけず娘の才能に気付く。
すばらしい快作だった。そもそもがリメイクの作品であるらしいし、プロットは割と「ベタ」だと思う。しかし、自分好みの要素(父娘要素、音楽要素、ボストン要素)が多く含まれていることもあって、序盤から涙が出て仕方なかった。主人公によるクライマックスの独唱で号泣。
去年から本作が素晴らしいという噂は聞いていて、なんで日本だけこれがAppleTV+で見れないのよ、、などと文句を言っていたが、映画館で堪能できてGAGAさんありがとう。この記事に心から賛同したい。配信サービスは大好きだけど、これ映画館で見るべき映画だと思う。最近、ミュージカルや音楽を扱った映画が増えているのは時代的な要請もあるのかもしれない ほぼ予習無しに見に行ったのだが、まさかのボストン映画という側面も嬉しかった。ボストンというよりはその郊外が舞台。自分はボストン関連の映画を見るのはライフワークの一つ)郊外の漁村という感じがマンチェスター・バイ・ザ・シーを思い出させる。この辺りは白人比率がとても高い。一方でボストン市内に行くと途端に人種が多様化する。この辺りすごく思い出した。父親のレッドソックスキャップ、主人公が来ているブルインズの古いトレーナーとかがいかにもマサチューセッツ あの高校の合唱部の発表会のような講堂とか、あの池とか実物ではないが、ニューイングランドに実際にあるし、行ったことがあるのだ
父親が「ボストン?クソが住む街だ!」というセリフにあるリアリティを感じられた
キャスティングに実際の聾唖の人々を起用することに出資者が難色を示したようだが、そこを押し切ってこの座組みにしたという話が良い。良いコンテンツはこういう志から生まれる
環境問題が水産資源保護にイキリまくりつつ、それが庶民を苦しめてるじゃないか、という中盤の描写、あまり決めつけがないところを含めていい塩梅でなかなかいいと思う
言うまでもなく、ロック・ポップスの名曲の選び方、使い方も最高。最後の曲(青春の光と影)も素晴らしいし、デュエットソングも最高だし、発表会でのD・ボウイのスターマンの選び方・使い方とかもオシャレでたまらない
ネット上のレヴューではデュエットシーンの演出を褒めている人が多い。しかし、自分はクライマックスの歌唱シーンにもう史上最高にやられた
宮本亜門みたいな音楽の先生、凄い良かった。この先生のキャラクター作り、言動がステレオタイプ的に見えて微妙に今っぽいし、独自性もある。この匙加減にこの映画の良さを見ることができる
全体としてベタでコテコテなストーリーではあるのだが、細部の匙加減が上手い上に品が良いので素直に乗っかっていけた
ベルナルド先生役のエウヘニオ・デルベス、またどこかの映画で再開したいし、するであろうと思う
新宿バルト9
「ハウス・オブ・グッチ」とこの作品どちらを映画館で見ようか迷っていたが、こちらで正解だったと思う。映画館至上主義者のリドスコ先生には怒られること必死だが、「ハウス・オブ・グッチ」配信で見ることとしたい。
2022/1/29